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2009年02月27日

換気選びの指針を1冊に

先進国など参考に
日本輸入換気システム連盟 理事長 吉村孝之さんに聞く


 輸入換気システムの輸入・発売元などで組織する日本輸入換気システム連盟(吉村孝之理事長)ではこのほど、換気システムを選定する際の考え方と注意点などをまとめた小冊子「JVIA換気読本2008」を制作。吉村理事長にお話を聞きました。

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換気扇がついていれば大丈夫、ではないはず

 「2003年の建築基準法の改正施行によって換気設備の設置が義務化され、すべての住宅に装着されるようになりました。シックハウスを防止するという法律の目的は、建材規制などの効果もあってこれまでのところおおむね達成されたといっていいでしょう。

 しかし、それによって別の問題も発生してしまいました。というのも、『建築確認申請』によって耐震偽装を見抜けなかった『姉歯事件』と同じく、機械換気設備も十分に性能確認がなされないまま、どんどん新築住宅に取り付けられることになったのです。現行の制度は、設計換気量を施工後に確認することを求めない事後検査なしの制度だからです。

 この結果、「ダクトレス」と聞こえは良い「壁掛け換気扇」が主流となってしまいました。自然給気・集中排気のセントラル換気(第3種換気)を導入普及してきた私としては、残念な現状でもあります。

 清潔好きといわれている日本人には、きれいな空気を求める意識が薄いのでしょうか? それとも「壁掛け換気扇」はじゅうぶん満足できる性能を居住者に提供できているのでしょうか?

 一方、地球温暖化を防ぐため、省エネルギーがとても大切になっています。ところが省エネに配慮しすぎた結果、汚染空気が新鮮であるはずの給気に混入する危険がある設備や、想定より省エネ性が低い製品などが客観的な評価がない状態で採用されている実態もあります。

大切なのは空気がきれいになること

 わたしたち日本輸入換気システム連盟のメンバーは、これまで住宅先進国の住宅・設備技術と、その背景にある住環境を大切にする思想を日本に紹介してきた先駆者ばかりです。そうった先進国の例もご紹介しながら、換気設備に求められる機能は何か、という点を整理し、消費者にとって安心できる換気選びの指針を1冊にまとめました。

 健康と省エネルギーの両立がいまほど求められている時代はありません。しかし、基本は人の健康であり、安心できる換気性能が省エネより優先されることは当然です。その点に気づくきっかけになればと思います。

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(吉村孝之氏)

 冊子の概要及申込先は下記の通りとなっていますので、ご興味のある方は是非お問い合わせ下さい。

【申込先等】
 B5判24ページカラー。無料。申込は連盟事務局へ
(FAX011・717・1770、webmaster@jvia.jp

(※本記事は(株)北海道住宅新聞社との委託契約に基づき同社が作成しました。)

2009年02月23日

平成21年度長期優良住宅先導的モデル事業提案に向けた協議会募集要領等について

 国が募集している平成21年度長期優良住宅先導的モデル事業については、先にご案内しましたが、「新築住宅部門」と「住宅改修部門」それぞれの民間主導の協議会に参加する住宅供給事業者及び設計事業者、住宅改修事業者、不動産事業者の募集要領と応募申請書を下記のとおり掲載します。

[新築住宅部門]  【募集は終了しました】
 ・北方型長期優良住宅推進協議会 設計事業者及び住宅事業者募集要領
 ・北方型長期優良住宅推進協議会 応募申請書(住宅供給事業者用)[PDF版Word版
 ・北方型長期優良住宅推進協議会 応募申請書(設計事業者用)[PDF版Word版
 ・応募申請に係るQ&A


[住宅改修部門]  【募集は終了しました】
 ・北海道R住宅先導的モデル事業推進協議会 住宅改修事業者及び不動産事業者募集要領
 ・北海道R住宅先導的モデル事業推進協議会 応募申請書)[PDF版Excel版
 ・応募申請に係るQ&A

徳島のまちなみ② ~貞光のうだつ~

 貞光地区は脇町のように国の保存地区の指定がないこともあり、まちの商店街の中にうだつのある家が断続的に建っているという感じです。その分、生活感が濃く感じられるような気がしました。(車が頻繁に通りますので街歩きの際は要注意!)

(→つるぎ町ホームページ(貞光地区の紹介)はこちら

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(この記事の最下部に街歩きの動画を掲載しています。)

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 ここの「うだつ」の特徴は2重うだつと美しいコテ絵です。本来の防火の意味から離れより華麗に変化してしていった様子がよくわかりました。

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 ちなみに、コテ絵は左官屋さんがコテで描いたもので、そこには防火や立身出世などの様々な願いがこめられているのだそうです。

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《鯉のコテ絵(防火・出世祈願)》


 また、貞光地区には昔の庄屋さんだった旧永井家屋敷もあり、内部を見学することができます。よく保存・管理がされており、内部には時代劇に出てくるような駕籠や人力車なども展示されていてとても興味深かったです。

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《町並みへの調和を考え「うだつをあげた」公営住宅》

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 次回は最終回として徳島城址をご紹介します。

2009年02月18日

平成21年度長期優良住宅先導的モデル事業について

 国が募集している平成21年度長期優良住宅先導的モデル事業について、民間主導の協議会が「新築住宅部門」と「住宅改修部門」において提案を予定しており、これに参加する住宅供給事業者及び設計事業者、住宅改修事業者、不動産事業者を募集しています。

 詳細については、下記より閲覧・お問い合わせ願います

 ◎新築住宅部門 【募集は終了しました】
   実施主体:北方型長期優良住宅推進協議会
   連絡先(事務局):㈱北海道住宅通信社 担当:野島
             ℡ 011-864-8580
 ※長期優良住宅先導的モデル事業に係る道の対応については → こちら

 ◎住宅改修部門【募集は終了しました】
   実施主体:北海道R住宅先導的モデル事業推進協議会
   連絡先(事務局):㈱シー・アイ・エス計画研究所 
              URL http://www.cis-ins.co.jp/CCP.html

2009年02月13日

徳島のまちなみ① ~脇町のうだつ~

1月の末に徳島県に行ってきました。

 徳島といえば鳴門のうず潮や祖谷地方の大歩危・小歩危・かずら橋なども有名ですが、「うだつ」と呼ばれる防火用の袖壁のある家々が並ぶ地域が何カ所かあります。

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《うだつ(脇町)》

 この「うだつ」ですが、出世の遅い人などを例えて「うだつが上がらない」という慣用句の語源になっているものです。(「うだつ」は繁盛している商店が競って屋根の上に作った(あげた)ことから、これがなかなかあがらない家のご主人は・・・・)

 県内には何カ所かうだつの街並みがあるのですが、今回は「美馬市脇町地区」と「つるぎ町貞光地区」の街並みを見てきました。

 まず、脇町です。
 ここは国の「重要伝統的建造物群保存地区」に定められており、住宅の保存、修復はもちろん電線の地中化等も行われ、街並みとしてとてもきれいなものになっていました。

(→美馬市のホームページ(脇町地区を紹介)はこちら

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(この記事の最下部に街歩きの動画を掲載しています。)

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 うだつは元々、隣家からの延焼を防ぐための火の粉除けのためのものです。ですから、元々は2階との屋根の間には隙間がないように作られていました。

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《隙間がない本来のうだつ》

 ただ、時代が下るとだんだん装飾的な意味が強くなっていき、本来の「防火」という機能が忘れられてしまいました。そのため、屋根との間に隙間があるものも作られるようになったとのことです。

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《これでは隙間から火の粉が入ってしまいます》

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 次回は、より装飾的が色合いの強い うだつが上がる「貞光」地区の街並みをご紹介します。

2009年02月10日

NPO法人パッシブシステム研究会

パッシブシステム研究会とは CONCEPT

 北海道で開発されたパッシブ換気システムを始め自然の力を利用した住宅技術の普及を目的に、パッシブ換気に取り組んできたビルダー・設計事務所などの有志を中心として活動しているNPO法人です。

 室内外の温度差と風を利用し、エネルギーを使わずに室内をくまなく換気するパッシブ換気の啓蒙・普及はもちろん、今後さらに変化する生活環境の中で安心できる住まい造りをテーマに、冬季の雪処理や夏の暑さ対策、生活廃熱の利用などの各種技術の改良を進め、太陽熱や風力などの自然エネルギーの利用など現在考えられる先端技術についても官庁や大学の協力のもと、よりよい形でユーザーに普及・提供する役目を担うことを目指しています。



パッシブシステム研究会の歴史 HISTORY

 平成15年8月に任意団体として設立されました。会員のさらなる技術力の向上を図るとともに、パッシブ換気の正しい設計・施工方法を広く啓もう・普及させるため、平成19年9月にNPO法人としての設立を北海道に申請し、同年12月14日に認証されています。現在正会員・賛助会員・特別会員・顧問など合わせて40の個人・団体等で構成。ユーザーセミナー・住宅見学会や、会員対象の研修会、技術者向けの現場研究会などを行い積極的に活動を進めており、平成20年にはパッシブ換気システムが札幌商工会議所の「北のブランド2008」に認定されたほか、北海道洞爺湖サミット記念として行われた「環境総合展2008」(札幌ドーム)にも出展し、多くの一般消費者の注目を集めました。


パッシブシステム研究会の事業 WORK

 計画自然換気を始めとする各種パッシブシステムの開発・推進・管理・施工指導・技術指導・普及促進活動・その他

お問い合わせ
NPO法人パッシブシステム研究会事務局(TEL.011-299-8312・有限会社キーワード内)
ホームページ http://pv-system.jp/


パッシブシステム研究会の活動ルポ

札幌市手稲区に建設した実証棟で315㎜断熱やハイブリッド換気など勉強

 NPO法人パッシブシステム研究会では、秋の研修会として札幌市手稲区に完成した同会実証棟の見学会・勉強会を昨年9月に開催しました。実証棟に採用された315㎜断熱や、パッシブ換気と第1種熱交換換気のハイブリッド換気、夏の暑さ対策などについて、設計・施工に関わった同会会員やメーカーの担当者らが説明を行いました。

 当日は最初に実証棟を見学。この実証棟を建設したテーエム企画の森社長が300㎜断熱や、ブラインドを挟んで2重サッシとした開口部回りなど実証棟の特徴についてひと通り紹介し、続いて三浦眞オフィスの三浦代表が「パッシブハウスを考えるうえで換気による熱ロスをどれくらい減らすことができるのか、熱交換効率の確認もしたいと考えました。」と、パッシブ・第1種熱交換のハイブリッド換気採用の目的を説明しました。また、実証棟に使われたトステムのプラスチックサッシ・アルゴンガス入りトリプルLow―Eガラスについて、同社北海道支社販促企画課の田中係長による紹介も行われました。

 実証棟を見学した後は、札幌市西区の札幌市生涯学習センター「ちえりあ」に移動し、勉強会を実施しました。最初に同会理事ではるす工房主宰の高杉さんが今回の実証棟のコンセプトや導入された技術について講演し、「高断熱化を進めていくと夏の暑さ対策が重要になりますが、今回は外壁南面と西面の窓上に庇を付け、さらにブラインドで日射を防ごうと考えました。ブラインドは窓の室内側に付けても効果は期待できないので、窓を2重にしてその間に設置しましたが、窓を2重にすると冬期に外窓で結露が起きやすいので、北海道大学大学院准教授の羽山広文先生に相談し、外側の窓のサッシ下部に5㎜径の穴を2つあけてサッシ間の空気を動かすようにしています。」など、夏対策を始めとする実証棟の設計・施工方法について解説しました。

 この後はテーエム企画の森社長と同社工事主任の北村さんが実証棟のコストについて報告し、最後に北海道大学大学院准教授の羽山広文先生が「住宅内の疾病発生からみた温度のバリアフリーの価値」をテーマに講演されました。羽山先生は人口動態統計や札幌市などの救急搬送データを示しながら、ヒートショックが原因と思われる心疾患や脳血管疾患による死亡者、浴室内での死亡者が冬期に多いことを指摘。高断熱・気密化によって、室内のどこにいても寒くない住宅を造ることは寒冷地だけではなく温暖地でも大切であるとしたうえで、「高断熱・高気密住宅は光熱費だけでなく、医療費や介護費の削減にもつながるとユーザーに話してもいいのでは。健康食品が不況知らずと言われるように、健康と安全には価格を付けられないことをユーザーは知っています。高断熱・高気密住宅も住まい手の健康を守るものであることをもっとユーザーに伝えてほしい。」と参加した会員に呼びかけました。


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(札幌市手稲区に建てられたパッシブシステム研究会の実証棟)

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(札幌市生涯学習センター「ちえりあ」で行われた北海道大学大学院准教授・羽山広文先生の講演の様子)


(※本記事は(株)北海道住宅新聞社との委託契約に基づき同社が作成しました。)

2009年02月05日

函館地区で4月に住宅展示場をオープン

 函館地区の工務店グループ「 イーハウジング函館 」が4月に、函館市美原に住宅展示場をオープンさせます。
 展示場は1年間公開しその後売却する予定です。このほど専門工事業者100名以上を招き1月13日に決起大会を開催しました。

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(総合展示場の計画パース)


函館の一等地で共同集客

 イーハウジング函館は、平成15年に函館地区の地元工務店、メーカーなどで結成した住まいの研究グループ。
 一昨年は北斗市追分で土地を共同購入・21区画造成し、デザインコードや全棟北方型住宅、全棟オール電化住宅などのルールを決めて販売。数区画を残すだけというところまで売るなど、大きな成果をあげています。

 今回の住宅展示場は、地域に根差した住宅会社が、質の高い住宅を提供するというメッセージをエンドユーザーに強く伝え、各社の受注に結びつくように、連携して営業活動を行うための拠点として企画されました。
 建設地は函館市の美原2丁目で、産業道路から赤川通り(道道347号)を北に向かって1キロほどの場所にあり、周辺にはツルハドラッグやビッグハウス、ニトリ、長崎屋、イトーヨーカドー、渡島支庁などがあるエリアです。
 函館市内でも有数の交通量を誇る道路沿いの約1800m2の敷地の一部を利用。バス停留所もある土地価格の高い場所だが認知度を高めるためにあえて立地にこだわりました。


5社5棟をオープン!

 モデルハウスを出展するのは渋谷建設(株)、(株)マルサ佐藤建設、(株)ハウザー、(株)葛西建設、(有)ノースランドホーム(山野内建設)の5社の予定です。

 プランニングにあたっては、各社各様のモデルハウスを出展する一方、建築位置指定線・壁面線や植栽、屋根は5寸勾配で切妻とするなどデザインコードの統一や全棟オール電化住宅、北方型住宅認定を受けることなどの条件を設定し、「サスティナブル」「街並み」「高性能」など統一メッセージを発信する計画となっています。

 工務店グループが「競合」を覚悟で協力しあうため、各社の担当者が自社以外のモデルハウスをエンドユーザーに案内しながら営業することをお互いに認める方針とのことです。また各社が共同で宣伝・イベント開催などを行い、地域への発信力・信頼感を高める計画です。


決起大会に約100名

 1 月13日、北斗市総合文化センター「かなでーる」で、このプロジェクトに関する構想発表会が開催されました。当日はイーハウジングのメンバーに加え、取引関係のある専門工事業者から約100名が出席しました。

 基調講演では当社編集長白井康永が、道南の主要2市での5年間の持家着工戸数が5割近く減少しているという現状を述べ、「近年は性能訴求型のメッセージがエンドユーザーに届かない状況。パターン化した工法・デザインを訴求するタイプの住宅会社の倒産も目立っている。非現実的な暖房費の削減量をうたった信頼性の低い効能訴求型メッセージもあふれている中で集客手法の見直しが不可欠。」と述べた上で、協力業者も含めた今回の取り組みにエールを送りました。

 同会会長の渋谷旭氏(渋谷建設社長)は「地場工務店は今こそ生き残りをかけたチャレンジが必要。力を合わせて展示場で集客しメッセージを発信する。協力業者の皆さんとも一緒に生き残れるようにお互いに力を合わせたい。」と述べました。

 副会長の川村伸之氏(ハウザー社長)は「追分サスティナブルビレッジは650組が来場し22棟の受注に結びついている。我々は5年間で114回の正式な会議を開催した団結力の強いグループ。各社の年間受注の半分以上がグループの活動経由で実現でき、グループ全体では、函館ナンバーワンの住宅受注ができる日も近いと思う。そのためには消費者に知っていただくこと、そして地元工務店ならではの圧倒的な商品力が必要だ。コストダウンの手法を見出した協力会社との間で、建材・工事の一括発注を行い、大手ハウスメーカーに負けない価格競争力も付けていきたい。」と強調しました。
 なお、詳細に関してはイーハウジング函館のホームページで紹介する予定となっています。

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(約100名が参加した決起大会の会場)

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(「工務店と協力会社が連携した生き残りを実現する」と強調する渋谷会長)

(※本記事は(株)北海道住宅新聞社との委託契約に基づき同社が作成しました。)

2009年02月03日

今春から道産エコ断熱材を製造開始

 
 (株)木の繊維は、道内で住宅用の木質繊維断熱材を作ろうと2007年7月に設立されたばかりのベンチャー企業です。木質繊維断熱材には、大きな熱容量、難燃性、防音性能、LCCO2(製造時から廃棄時までに排出されるCO2の総量)の小ささなど優れた特徴を持っており、今年4月からは苫小牧市の工場で試験操業を開始する予定です。

 今回は、同社社長の大友詔雄(のりお)さんに断熱材製造に取り組んだ経緯や今後の抱負などをお話しいただきました。

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(木質繊維断熱材を手にした大友詔雄社長)


ドイツでの出会いから道内事業化へ

 木質繊維断熱材との出会いは今から5年ほど前のドイツです。ドイツは1994年、日本の憲法に相当する基本法に「次世代の為に自然を守る責任がある」ことを盛り込むなど環境先進国として知られています。

 製造時のエネルギー消費が少なく、廃棄後に土に還るなど環境負荷が小さい特徴があり、材料も針葉樹が最適だと知って北海道での「地産地消」事業にうってつけだと感じました。さっそくドイツ企業とライセンス取得交渉を始めました。

 木質繊維断熱材を輸入して実際にユーザーに使って「いいものだ」と感じていただき、ドイツ側にも「日本には受け入れる素地ができている」と理解してもらうなど地道な努力を重ねライセンスを取得できました。

 ただ、事業化には多大な資金が必要で単独では取り組めません。地元の大手建設会社や工場建設予定地に隣接した地主さんなど多くの方に出資していただいて㈱木の繊維を設立し、事業化がスタートしました。

 工場は今年4月から試験操業に入り、主に壁内充てん断熱用のマットタイプを生産します。原料は道産トドマツ、カラマツの間伐材などが中心。このほか、「UDボード」の生産も計画しています。床用防音材や多目的の硬質付加断熱材兼外壁下地として使えます。

 生産過程で工場で使う熱エネルギーには、バーク(樹皮)ボイラーを採用しています。燃料となる樹皮はいろんな含水率の物が運ばれてきますので、流動床ボイラーや、ボイラーの排熱利用で乾燥させる仕組みにしました。


断熱性能以外に様々な魅力

 木質繊維断熱材の魅力は、まず熱容量の大きさです。箱の中に断熱材を敷き、電球を点けて断熱材下の温度を測定しました。開始後10分で鉱物繊維系の断熱材は温度が7℃上昇、一方木質繊維断熱材は断熱性能を表す熱伝導率は同じでも、わずか0・3℃の上昇。電球を消すと、鉱物繊維断熱材は急速に温度が下がるのに対し、木質繊維断熱材はほとんど変化しません。木質繊維断熱材は5倍以上熱容量があり、熱を断熱材に貯め込むからです。このため室内の温度変動が抑えられます。

 ニセコに建てた住宅で、厳冬期に暖房で20℃超まで温度を上げてから完全に暖房を切り、その後の温度変化を調べたところ、2週間後も室温は7~10℃に保たれました。暖房費の大幅削減が期待できます。このデータが出たことでみなさんの反応も変わりました。

 2つめは、製造から廃棄に至るまでのCO2排出量を表す「ライフサイクルCO2(LCCO2)」の小ささです。当社で詳しく調べたところ、木質繊維断熱材は木が原料のためCO2を固定する効果がLCCO2の3倍以上あり、実質的にCO2を出さないと言えます。

 3つめはきわめて付加価値が高いことです。これは地産地消実現の大事なポイントです。原料1tあたりの製品価格で比べると、木質繊維断熱材は少なくともチップの10倍、木質ペレット燃料の3倍以上もあります。
 従来の断熱材より割高になりますが、ランニングコスト低減が期待できます。

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(道内住宅の実例が出たことで反応が変わった)

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(付加価値が極めて高いのも地材地消に重要な要素)


2年後に住宅1万戸分生産

 事業計画では、初年度5万m3でスタートし、3年目に30万m3(おおよそ住宅1万戸分)のフル生産に移行する予定です。販売拠点は、道内を含め東京など全国4ヵ所に設けます。

 営業面では、建材ルートの開拓のほか、大手ハウスメーカーにも採用を前向きに検討していただいてます。まずはお客さまに使っていただいてご意見や評価をいただくことが基本だと思います。現在は、既に使っていただいたお客さまのご意見をもとに、専用裁断具を開発中です。100V対応の電動丸鋸でスパッと切れ、ほとんどくずが出ないのが特徴です。

 今後は防耐火認定をなるべく早く取りたいですね。素材単体と構造体としての認定両方です。4月の試験操業開始時点で道立北方建築総合研究所(北総研)や道立林産試験場(林産試)の協力も仰ぎながら進めていきたいと思っています。


木質繊維断熱材
 間伐材や林地残材の樹皮を取り除き、細かく破砕して作ったチップを繊維状にし、バインダーを数%混ぜて成形する。断熱性能は道内でよく使われる鉱物繊維断熱材並みの0・038W/K。製造過程で水を加える必要がない乾式製法。

大友詔雄氏プロフィール
北海道大学工学部卒業。工学博士。同大学で教鞭を執りながら1999年に北大発ベンチャー企業として㈱NERC(自然エネルギー研究センター)を設立、センター長として自然エネルギー利用などのコンサルティングを行う。2007年に同大学を退官し㈱木の繊維の代表取締役社長に就任。

会社プロフィール
株式会社 木の繊維
本社 札幌市中央区北1条西4丁目札幌ノースプラザ8階
http://www.kinoseni.com/

(※本記事は(株)北海道住宅新聞社との委託契約に基づき同社が作成しました。)   

2009年02月02日

第10回 月例住宅講座

北海道建築指導センターでは平成20年度より月例住宅講座を開設しております。
10回目であるである今回は、1月30日(金)にKKRホテル札幌3階 エルム会場にて行われました。

今月のテーマ
「北の住まいの性能を考える」
 -断熱・気密・暖房・換気 -


当日の参加者
54人(男性34人、女性20人 (うち、技術者12人))
※札幌市外からも3人参加(江別市3人)されました。

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レジメを使用し、概要に沿った話しをすすめました。

講座修了後、参加者からの多くの質問にも講師が丁寧な回答をされ、個別相談にも応じました。

次回は2月27日に開講されます。ここをクリックで次回案内にリンクいたします。