十勝総合振興局では、北方型住宅フェアの一環として、3月16日(金)に「地域材を活用したとかち型エコ住宅フォーラム」を開催しました。参加者は工務店のほか、建築士事務所、林業林産関係者など幅広い分野から110名の参加があり、会場は熱気にあふれていました。

まず北総研の福島部長が基調講演。「これからの住宅目標ととかちの家づくり」について講演頂きました。ドイツのパッシブハウスなど世界の性能基準と、札幌版次世代基準など断熱基準について豊富な写真や図表を交えて解説。具体的な取組みとして、高断熱仕様にすればエネルギーコストが削減でき、高断熱化に伴う建設コストアップも十分賄えるとし、「断熱厚さ30センチ断熱時代の地域住宅は、工務店にとって大きなチャンスだ」。また、続く道立総合研究機構の戦略研究「『新たな住まい』と森林資源循環による持続可能な地域の形成」の紹介の中で、とかち型エコ住宅の目指す方向性として、「住宅に使われる全建材のうち3割程度にとどまっている道産原材料比率を高めることが必要」としました。その重点ターゲットとして内外装材(現状道産シェア4割程度)を挙げ、戦略ターゲットが、主たる構造材(同2割以下)を挙げました。これらの取り組みを進めていくことが地域経済への貢献につながるとしました。
その後、北海道建設部建築指導課から「住宅施策の新しい動き」として、省CO2が大きな流れであるとし、24年度創設の「地域型住宅ブランド化事業(→概要はこちらをクリックしてください)」などについて説明。
後半は、地域型住宅の取り組み事例などについてのリレートークを行い、十勝において目指すべき姿と必要な取組みなどについて議論が交わされました。
トップバッターは、オムニス林産協同組合の瀬上晃彦さん。「地域材の生産・供給の現状と展望」について講演頂き、建築材への利用拡大を図る必要があるとしました。また「顔の見える家づくり」として、建て主と工務店のほか山林家や製材業者などと直接連携した建築事例をご紹介いただきました。エンドユーザーと生産者が価値観を共有できたという成果と、伐採・製材を特別に行うことによるコスト上の課題を挙げました。
続いて(有)ウッズ建築設計の山口正さん。北海道とりわけ十勝の住宅建築業界は、他地域と比べ、工務店同士の横の連携が強いことが大きな強みとされました。これからの住宅の課題として、長く使い続けることを挙げ、省エネ性能の向上も必要だが、デザインの向上を求めました。また地域材については、構造材等の利用に限らず、木質繊維による断熱材、木質ペレットによる熱源利用など様々な使い方があるのではと提案。
3人目は(株)サトウの松永秀司さんから、十勝産2×4材の開発について発表。課題として「枠組壁工法構造材のJASについて、国産樹種の特性が適切に反映されていない」。一方で十勝2×4協会との連携で実施した実証実験では、製品の寸法精度や表面仕上げが良いなど良好な評価が多く,「カラマツ製材が建築用途には不向き」というイメージを払拭することができたと話しました。
最後に紺野建設(株)の紺野宏さん。外部の設計事務所と連携し、施主、建築士、工務店の3者で打合せを重ねる家づくりの流れを説明。また、国交省の地域材活用木造住宅振興事業に採択され、清水町に自ら建設した「ちきゅう思いの小さな家3」などについて発表しました。地域材を積極的に活用し、グラスウール300ミリ相当の断熱性能、パッシブ換気システムを採用するなどエコを追求した仕様で、「日本建築の歴史に学び、守る事、それらを守るために新しい技術を学ぶ。こだわり住宅でとかちナンバーワンを目指す」と話しました。
フォーラムの最後に、コメンテーターの福島部長が、「とかち型」のポイントとして、何か全く新しいものを生み出すのではなく、地域で積み重ねてきた様々な取組みを続けていくことが重要と締めくくりました。
